季節は巡る。春夏秋冬、日本の四季はハッキリとしていて時期ごとの美を人々に届けます。
深紅に染める紅葉の季節を迎え、木の葉が地に落ちてくる頃になると冬の到来を告げる風の音が、そして香りが京都の街を覆います。
京都府の冬は哀愁の中に凛とした雰囲気を醸し出す風景が非常に良く似合います。
その風景は温かみのある和を基調とした京都府にとって、あまり似合わない風景であるかもしれません。
ですが京都が白く染まる光景を見ると、そこにはとてももの悲しげな風景が広がり感情を揺り動かされるのです。
冬の京都は、とても物静かです。静寂の世界と言った方が適当かもしれません。
京都のような盆地は夏には熱が逃げにくくとても暑いのですが、同時に冬はとても寒く空気が張り詰めています。
盆地という地形のために寒波が逃げにくく、いつまでも留まっているからです。
ですから、冬という季節に寺院を巡る人は大変に少なく、観光客もこの季節が一番減少します。
だからこそ冬の京都は大変に美しいのです。日本の美とは静寂の中に輝く宝石のようなものです。
古都京都の街並みは静寂の中にあって初めて本来の美を纏い輝くのです。
和の美しさとは沈黙の中にこそあると言えます。
多くの装飾品や彫刻などといった絢爛豪華な風景、本当の京都の姿はどうにも映えません。
雪が降り京都の街を純白に染め上げます。寒さの中に凛とした空気が漂い背筋を伸ばしながら歩きたくなるような感じがします。
純白の雪を覆った寺院はとても美しく、荘厳です。そして儚く、まるで手にとってしまえば消えてしまいそうなくらいに。
だからこそ、際立つ美があります。
寺院は歴史を刻む神聖な場所です。その気高さと白い雪はこの上なく相性がよく、豪華な紅色の紅葉以上に美しいかもしれません。
凛とした冬が徐々に終わりに近づき、3月あたりになると寺院は梅の花が咲き仄かに色づきはじめます。
特に梅宮大社は、その名が示すとおり美しく梅が咲き、梅の名所として大変に有名です。
日本の歴史ある建築物と梅は、桜に負けないほど叙情的です。観光客もこの頃から一気に増えてくるのも頷けます。
紅葉のシーズン同様、冬も京都の自然が映える季節といえるでしょう。